中学生高校生に英語を教えていて必ず問う質問があります。
「家に英和辞典ある?」
「辞書使ってる?」
彼らの返答から推すと、辞書がないご家庭は少ないようではあります。(もしも家にない場合は、「ブックオフで安いのがなんぼでもあるから買ってもらい」と言います)
しかし、実際に辞書を引かせてみると非常に手つきがたどたどしいのですから、ほぼ使われてないのも間違いないところでしょう。(電子辞書に慣れている、という場合はともかく)
これは本当におかしなことです。英語を勉強する子供たちの大きな問題の一つは、単語力が欠如していることですが、辞書を使わないで単語力を補うことは全く望めません。そもそも辞書なしに外国語の勉強をすることは不可能です。
教科書や問題集の後ろについている「単語集」のようなものでごまかしてしまう子供もいますが、細かい説明も用例も書いていない単語集では、何の意味もありません。
そこで、授業の際にはいつも子供たちには自分で辞書を引かせるようにしています。そして、辞書の使い方を教えます。辞書を使うことが外国語の勉強には必要でありますし、また他のどんなことでも辞典類を利用することは必須だからです。
日本の中型英和辞典は非常によくできています。たとえばイタリア語で英語を勉強しようとしても、日本の英和辞典のようなものはイタリアにはまずないのではないでしょうか。というのも、日本の中型辞典は、収録単語数はもちろん、用例や図録が非常に豊富であるのみならず、熟語も丹念に収録されています。こんなに便利なものが、どこの書店でも手に入れることができるのですから、日本人は大変に幸福だと言わなければなりません。
ただし、中型辞典は高校生には使えても、中学生にはまだ難しすぎます。学校で勉強する内容に比べて、辞書の記述が細かすぎるからです。
そこで、中学生にはより簡便な学習辞典の利用をおすすめします。中学校レベルの内容を、見やすい表示で的確にまとめてくれていて、私も中学生に英語を教えるときはとても重宝しています。
中型辞典にしろ学習辞典にしろ、こんな便利な道具を使わないという手はないのです。
そこで申し上げたいのは、子供たちが家庭学習を行うときには、必ず辞書を使わせて下さいということです。当たり前のことに聞こえるかもしれませんが、その当たり前が出来ていないのだから仕方ありません。(もちろん、大人だって英語の勉強をする時も、面倒くさがらずにこまめに辞書を引かないといけません)
辞書を使い続けるだけで、学校の成績は容易に1ランク・2ランク上がるのではないかと思います。