姫路市内の学校は5月末まで休校するそうですが、直ちに学校を再開しろ、と言いたいわけではありません。また、遠隔授業をしているので、学校が休校するしないは私にとって経済的には全く関係ありません。
ただ、子供たちのことについて、そろそろみんなで考える段階ではないかと思っています。
長文になるので要点をまとめましょう。
(前置き) 日本は比較的良い状況だ
例年、肺炎で毎日300人から400人程度亡くなっている(理由)
1 子供が感染してもほとんど命に関わりない
2 一斉休校は感染抑制策として比較的効果が薄い
3 年齢が高い方がウィルスを排出しやすい
4 子供たちが勉強しないことの大きな損失
(結論) 学校再開を真剣に検討すべきだ
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新型コロナウィルスの流行に伴う緊急事態宣言が出されてから、3週間がたちました。
封鎖をしていた海外では、封鎖の解除が始まっており、それに伴い学校の再開をどうするかという話題も出てきました。
日本は、ヨーロッパや米国よりもはるかに良い状況です。手洗いやマスク着用などの衛生に対する意識や、国民皆保険といった医療制度、医師らの高い医療技術に日本は恵まれており、またさまざまな幸運もあって、今のところ、重症者・死者の数は非常に小さく済んでいます。
どの程度、日本社会の中に感染が広まっているかの調査ができていないので、そこはよく分からないわけですが、重症者・死者の数が少ないことは間違いありません。
また、世界各地で行われている検査の結果から、想像以上に感染が広がっている実態が徐々に明らかになりつつあり、致命率が下がる可能性が高くなっています。
もちろん、新型コロナウィルスに対する免疫というものを人間がいまだ持っておらず、そのため医療体制への過度の負担を私たちがかけ続けることは、断じて避けなければなりません。
しかしまず、「日本の状況は比較的よい」という事実を確認したいと思います。
そして日本では例年、毎日300人から400人程度の方が、肺炎で亡くなっています。そのことを念頭に置くべきです。
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その上で、小中学校、高等学校の再開をそろそろ真面目に検討したほうがよいのではないかと考えています。その理由をいくつか書いてみます。
理由1 子供が感染してもほとんど命に関わりない
子供が感染してもほとんど命に関わりがないということはデータで出ています。ですので、「子供たちの命を守る」ために学校の休校をするということに、どの程度意味があるのか、大変に疑問です。
もちろん、風邪のような症状の子供は登校を見合わせるべきなのは言うまでもないことですが、しかし子供の命に関わるリスクは何も新型コロナウィルスに限ったものではありません。
運動会の組体操で、あれだけ事故が多発しながら、それでもなかなか危険な演技をやめなかったことを思い出すと、いかにも判断がアンバランスです。
理由2 一斉休校は感染抑制策として比較的効果が薄い
これも研究が出ています。感染者の隔離やいわゆる「ソーシャル・ディスタンシング」には大きな効果がありますが、それと比較すると新型コロナウィルスについては学校の休校は効果が薄いとされています。
無論、地域によって感染状況が異なるでしょうから一概には言えないでしょう。
子供たちがおじいちゃん・おばあちゃんに会うことを控えることが必要になってくるかもしれませんが、しかし一斉休校が感染拡大の抑制にどの程度効果的なのか疑問です。
理由3 年齢が高いほうがウィルスを排出しやすい
これもデータで出ています。
話が脱線しますが、子供たちにマスクを着用させることの是非も、もう一度考えた方がよいと思います。
一般用のマスクは大人・子供問わず、感染の予防にはなりません。ただ、もし感染しているのに発症していない場合、新型コロナウィルスは発症前から感染力を有するかもしれないということで、症状がなくてもマスクをつけた方が飛沫の拡散を抑制できるかもしれないということだと理解しています。
ただし、マスクにウィルスが浸み出す例が報告されているらしく、また洗浄するとは言いながら繰り返し使用することの方が多いわけで、マスクそのものが不潔であるというリスクが軽視されているのではないかと思われてなりません。
さらに子供の場合、なかなかマスクを正しく装着してくれません。また、あちこち触った手でマスクを頻繁に触りますし、そのついでに顔にも触れます。
つまりマスクを着用したほうが子供にとってはリスクがより高いかもしれないのです。
こういう点も、合理的に考える方がよいのではないでしょうか。
理由4 子供たちが勉強しないことの大きな損失
私が一番心配していることはこれです。
残念ながら日本では、大学を除いて、遠隔授業はあまり行われていません。学習塾のなかには遠隔授業を行っているところもありますが、そういう塾にどの子供も通えるわけではありません。
休校の期間が延びれば延びるほど、子供たちの勉強しない時間が増えます。そうすると、子供たちはそれまで勉強したことを忘れます。
また、遠隔授業を行っている海外の学校でも、さまざまな問題が指摘され始めています。遠隔授業ではどうしても指導が行き届かないからです。
パンデミックはいずれ終わります。しかし勉強は一生の宝です。その機会をみすみす失わせることがあってはなりません。
日本よりも状況がはるかにひどい欧州各国では学校が再開していくようです。現在の日本の状況では「勉強より命の方が大事」という議論には、どう考えてもなりえません。子供たちにとって、この病気で死ぬことよりも、将来のさまざまなチャンスを失う可能性の方がはるかに大きく、それは子供にとっても、私たちの社会にとっても大きな損失です。
衛生に注意しながら、勉強をし、同級生や先輩後輩としっかり遊び、頭も心も身体も健全に育つこと、それこそが子供たちにとってより重要なのではないでしょうか。
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私はそう考えます。
せっかくの長期のお休みです。こんなことも少し考えてみることも必要ではないかと思います。