君たちは、今、大人たちがおろかなために、大変な目にあっています。それがどれだけ大変かは、すぐに分からないかもしれません。
でも、いずれ、君たちにもそのことが分かった時、つまり大人たちはとんでもなくおろかで自分のことしか考えていないこと、大人たちが君たちの信頼を裏切ったことが分かった時、君たちの中にはきっと怒る人もいると思います。
怒ってください。いや、怒らないといけない。怒るのが正しいし、当たり前なのだから。
大人の一人として、私は君たちに心から謝ります。ごめんなさい。君たちのために、なにもできませんでした。とてもはずかしいです。
でも、同じことを絶対にくり返してほしくないから、ささやかなお願いを書かせてほしいのです。お願いは、たった二つです。
お願いの一つ目。まず、勉強してください。
小学校の算数が分からない大人、日本語でも長い文章になると分からなくなる大人はたくさんいます。
君たちはそんな大人になってはいけません。勉強してください。君たちはいずれ一人で生きていかなければいけません。その時、学校で勉強したことは生きるための武器になります。
ただ、勉強できることだけでは十分ではありません。
君たちは、台所の包丁を見たことがありますか?包丁を使っておいしいごはんを作ることができます。おいしいごはんを食べると、自分もまわりの人もうれしいですね。でも、包丁で人をきずつけることもできるでしょう。
勉強は包丁のようなものです。
勉強で身につけたことも、上手に使えば人のためになりますが、下手に使うと人をきずつけることができるのです。
包丁でおいしいごはんを作るように、勉強したことを使うようにしてください。自分もまわりの人もしあわせになるにはどうすればいいか、いつもいつも考えるようにしてください。
これがお願いの二つ目です。
もう一度、二つのお願いを書きます。まず、勉強すること。そして、勉強したことを自分もまわりの人もしあわせになるように使うこと。
でも、君たちの中には、勉強なんて大きらいだという人もいるでしょう。なんでこんなに面白くないことをしなくてはいけないんだろう、テストの点も悪いしって。
そういう人は無理に勉強することはありません。
でも、自分とまわりの人を大切にしてください。自分だけを大切にする人はわがままです。でも、まわりの人ばかり大切にするとつかれてしまいます。自分も、まわりの人も、どちらも大切にしてください。勉強なんかより、ずっとだいじなことだと私は思います。
あとは、お友だちとたくさんあそんでください。もしお友だちがいなくても、鳥や花、川や海や山や、、、まわりの自然がお友だちになってくれるでしょう。わたしのお友だちは、いつも音楽でした。音楽だって親友になれるんですよ。
長くなりました。もう終わります。小学生にも分かるように書いたので、中学生高校生の中にはバカにされているように思う人もいるかもしれない。そういう君たちには、もっとむずかしい言葉を使うだけで、同じことを書いていたでしょう。
君たちが立派な大人になって、今の大人と同じまちがいをくり返さないでほしいと、心から願っています。Good Luck!