イタリアでは、他のヨーロッパの国々と同様に、人を呼ぶときは、姓ではなく、名で呼びます。たとえば、「マリーア!」「アンドレーア!」云々と言った具合。ですから、私はいつも
「タケーシ!」
と呼ばれていました。イタリア語では通常後ろから二番目の母音にアクセントがくるので、「た」けしではなくて、たけーし、です。
ところで、イタリアにも方言がたくさんあり、私が暮らしていた街ローマもその例にもれません。ローマ弁というものがあるわけです。この方言では、何でも短くしてしまう癖があります。たとえば、アレッサンドロは、
「アレッサー」
となります。フェデリコ・フェッリーニの映画「ジンジャーとフレッド」でも、ローマのテレビ局の女性が、番組の出演者が宿泊していたホテルの従業員に向かって「アレッサー」と言っていました。
ですから、私が呼ばれるときも、「タケーシ」ではなくて、
「ターキィ!」
と呼ばれていたものです。
・・・
イタリア語ラボのアカウントは“takinstitute”になっています。
Laboratorio Linguistico Italiano (イタリア語ラボ)を開くにあたって、名前を決めなければならない時に、イタリアの友人たちにネット上で聞いたのです。どのような名前がよいかと。すると、
「タケシ・インスティトゥートはどうか」
という案が出てきました。これは、イタリア語としては素晴らしい名前なんですが、日本語としてはあまりにも自意識過剰に響くので採用できませんでした。しかし、どこかでこの名前を使おうとは思っていました。そこで、サイトのドメインを取るときに、この案を採用したというわけです。
でも、ドメイン名としても“takeshiinstitute” は長すぎます。
そこで、“takeshi”の部分はローマ流に短くして“taki”にしてしまい、“taki”の i と“institute”の i を重ねて、“takinstitute”とした、というわけです。
名前の呼び方付け方ひとつとっても、そこにはイタリアがあるのです。
(東海)
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