大根とイタリア語

7月4日、城北公民館で講演をしました。

そこで、大根というものはイタリアにあまりないしレシピも見ないという話をしたところ、お聞きになっておられる方の中に、すぐにインターネットで検索なさった方がおられ、イタリアにも大根はあるというお話でした。

大根のことをイタリア語では rafano bianco giapponese というのだそうです。字義通りとれば、「日本の白い “rafano”」という意味です。

ところで、この “rafano” という単語ですが、手元にある伊和辞典によれば「ラディッシュ、ハツカダイコン、ワサビダイコン」とあります。またイタリア語辞典を見ると、辛味のする食用の根、とありました。

大根のイタリア語を教えてくださった上記の方が検索してくださったところによると、大根はイタリアに輸入され、ミラノのスーパーなどで販売されることもあるそうです。住んでいる日本人が多いでしょうから、そういうこともあるように思います。

とはいえ、一般的に大根が食されているわけでは、やはりなさそうです。

想像していただくか、ネットで画像検索していただくと分かりやすいと思いますが、ハツカダイコン、あるいはワサビダイコンのようなものと、日本の大根はまるで違います。大根それ自体はアジアで改良栽培されたものなんだそうで、元来ヨーロッパにはありません。

私はずっとローマにいましたが、ローマの市場やスーパーで、カブはあっても大根を見た記憶がどうもありません。

また、料理法としても基本的には大根は「東洋の物」扱いになっているようですし、一般的な食材であるとはなかなか言い難いのでしょう。

興味深いのは、大根をイタリア語にする時、どういう名前をつけたものか、苦労の跡がみられるところです。

例えば、「ポルチーニ茸」は日本語に既になっていると思いますが、これを「イタリア茸」と言っても仕方がないようなところがあります。

大根を「日本の白い “rafano”」とイタリア語で名づけているのは、それと同じことです。間違いとは言えないけれども、それは本当に大根だろうか、という胸のつっかえが取れないようなところがある。翻訳の難しさが、こういうつまらないところにも表れているように思います。

いずれにせよ、大根はミラノあたりではスーパーで販売されていることもあるということを知って、大変に勉強になりました。

 

 

 

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